ドライフラワーのブーケ

花嫁さんのブーケと花婿さんのブートニアをドライフラワーでおつくりしました。

ブーケは、花びんに入れて、写真に撮ると、アキ・カウリスマキさんの映画を観ているみたいに、うつくしく見えた。アキ・カウリスマキさんの映画は、どのシーンも、まるで一枚の絵のよう。年のはじまりに観た『枯葉』は、若くはないシャイな男と女のラブストーリーだった。

先日、ちょっと遠くの町から、久しぶりのお客さんがお花をたのみにきてくださった。奥さんへのお誕生日の贈りもの。しばらくお見受けしていないな。確か、なんねんか前にご病気をされたみたい。どうしていらっしゃるかな。元気でいるかな。 ちょうど少し前に、 ふたりで話していた方だった。どうも。入ってきた瞬間、旦那さん、思わず、ごぶさたしています。すると、お客さんも、いやあ、いちねんに一回ですみません。そう笑った。お花に添えるカードはどうしましょう。じゃあ、おねがいします。結婚四十周年なんでね。まあ、家では会話は一切ないですけどね。今後ともよろしく、と、おねがいします。まあ、相手は、拒否ですけどね。はじめて来てくださったときは、すぐご近所でお勤めされていたけれど、いまは、職場も少し離れたところとうかがう。

生活というものは、あたりまえに、どんどん変わるもので。仕事、家族、からだの調子、それから好きなものやこと、通うお店も、そのときどきに変わってゆく。いちねんに一回、たずねてもらう。とりとめのない話をする。そのような時間を、とても幸福に感じる。