3月10日（水）朝11時、今月もまたmuraperiさんのパンがやってきます。
2月10日、店の表には、パンと大きく書かれた、とっても目立つ黄色ののぼりが立って、ほんの数時間、花屋はパン屋さんになった。パンが売り切れたあと、村上さんがありがとうございましたと言って、握手をしてくれた。そのときのわたしの手がとても冷たかったものだから、村上さんは驚いた様子で、まあ、なんて、奥さま、と何度も言いながら、ちょっと泣きそうな顔で、話しているあいだじゅう、ずっと手をさすって温めてくれた。時間のかぎりに。それで、鞄の中の貼るカイロと、使いかけのハンドクリームを置いて帰っていった。
毎月10日に始めた、とまる市。どんなものを売るか、の前に、どんな人に来てほしいか、それがいちばん大事やねんなあ、と旦那さんが言う。村上さんは、ていねいでやさしい、でもどこか大らか。パンもそのままの味がするだろうと思います。