チクタクボンボンlive

夏至の季節、チクタクボンボンのライヴをします。今年の1月にお店をはじめられた余波舎NAGORO BOOKSさんで、本の背表紙たちに囲まれて。多くの著者たちの視線もまたそこにある。うたうことばの一つひとつ、うそがないように…

大寒

もしかしたら あなたが 会いに来たのではないかしら トントン トントン 玄関の戸や 台所の窓が つめたい風に うれしそうにゆれるので

小寒

熟れた柿の実に ぽつりぽつりと咲いた白梅に 煮しめのあまからい匂いに べっこう飴の色の陽ざしが パラパラと降りそそいでいる まるで何ごともなかったかのように

冬至

冬の中で明るく光る 白菜のやわらかな白よ 降る雪のりんと澄んだ白よ ポットからシューシュー沸き上がる あたたかな白よ あなたのくちびるからこぼれる いきいきとはずむ白よ ページの上ことばを包んだ 大らかな白よ

大雪

セーターにマフラー、くつ下に ころころ毛玉 やあ、久しぶり いちねん前のわたし

小雪

手のひらでりんごを包む 紅色の宙には銀河があって ていねいに洗うと それはみるみる輝いた

立冬

どんな料理にもたいていは短冊切りにするにんじんをきょうは ふと イチョウ切りにする大通りのイチョウの木をまねてまな板の上にちらばったオレンジ色の葉っぱ